羊の書斎 ~ 晴耕雨読 ~

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型式指定申請不正問題~自動車業界大丈夫?~

ダイハツの不正問題に続き、各社不正が発覚して連日新聞の一面をにぎわせていますね。さすがに気になったので、トヨタ、ホンダ、マツダのトップ達の記者会見映像(それぞれ一時間半!暇人とかいわないで💦)を通しで見たので感想を書いてみたいと思います~

 

トヨタ

 

”国より厳しい基準(JNCAPとか)をクリアしているので自動車の性能、品質には問題ないよ。でも、法令順守については、国の求める重さと乖離があったからそこは真摯に対応します。でも、正直、トヨタの改善はもちろん、国の認証についても、効率よく進むように前向きに改善するスタートになるといいな~”

 

豊田会長、トヨタに限らず自動車業界が好きなんだなーって思いました。トヨタお得意の改善に、国まで巻き込んでほしいものです。でないと、国の後ろ盾が入った中国の自動車メーカーには、今後長い目で見て国産メーカーが勝てなくなってしまう気がします、、

 

ホンダ

 

”過去22車種で国の基準との不一致があり、当時は法令順守が軽視されていたかもしれない。今は法令改定のタイミングで社内の体制に見直しが入って、完全に独立した強力な法規認証部があるので大丈夫です!”

 

ホンダは合理的でドライですね。不正認証の内容も、データにきちんと補正を加えて正しい結果を出したり、マージンを取って認証試験を行うことで最後のやり直しを防いだり、正直「賢い!」と感心しました。過去10年の振り返り指示に対して、自主的に可能な限りの15年前まですべてチェックしたようです。徹底していますね、、

 

マツダ

 

"不正問題おこしてすみませんでした。再発防止します。現場は合理的、効率的に適切に業務を行ってます。マネジメント側でルールの適切な解釈が出来ておらず、手順を適切に配備できていなかった。国の指導の下、法令順守しっかり進めます。"

 

教科書のように誠実な受け答えと対応だと思いました。トヨタ、ホンダみたいに、リラックスして自信持って、もっと本音で話してもいいのではないかなーと思いました。

 

国土交通省報道発表資料>

 

”型式指定申請において不正行為を行うことは、ユーザーの信頼を損ない、かつ、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為であり、新たな不正行為が明らかになったことは極めて遺憾。”~HP抜粋~

 

自動車業界をルール違反した悪者に仕立てて、制裁を与えたいみたいですね。”虚偽データ”、”不正加工”、”虚偽記載”、とかなりきつい言葉が並べてあります。

実際に各社会見を行って、国の基準以上の性能が担保されていることが明るみに出たので、振り上げたこぶしの下ろし所は難しいような気がしますが、今後の動きが気になります。

 

国土交通省がここまで自動車業界にきつく当たるのは、ダイハツの件がよほど許せなかったからでしょうか?仕事柄、ツンツンした感じがデフォルトなのでしょうか?

ともあれ、国としても前向きな対応に結び付くといいな~。

 

まとめ

 

今回の不正問題は各社悪意は無かったようで、自動車業界はとてもクリーンだな、というのがらんぷの印象でした!

 

要するに、今回の動機は、安全な車をお客様に速やかに届けたいがために、合理的な効率のよい開発を進めようと、独自に法令の解釈を行ったということ。

 

世界中の基準を満たす法規認証業を行うにあたり、国内基準が包括されているならば問題ないと思うのは普通だと思います(これは理系的な思考なのでしょうか??)。

 

今回はメディアも何とか煽ろうにもあまりにクリーンすぎて取りつく島が無いように見えます。

 

ルールの本質をとらえた上で合理化、効率化を進めてしまった自動車メーカーと、ルールという手段を目的化してしまった国、両者の立ち位置が明確に分かれた問題だったと思います。

 

国は企業をもっと信用して、世界で鎬を削っている自動車会社を後押ししてくれると、みんな幸せになるのじゃないかなって思いました!