羊の書斎

お気に入りの本のレビューをメインにやっております。ごゆっくりどうぞ~

カーポートの波板張り替え

実家のカーポート、紫外線劣化でボロボロだったので、天井の波板の張り替えをDIYで行いました!

 

 

色々な種類があると思いますが、最初の寿命5年のものは8~9年でダメになって張り替えました。次は、同じ寿命5年のものでしたが、今度はガラス繊維入りのものを使って25年持ちました。

 

今回はポリカーボネート製の寿命10年をチョイスしたので、20年くらい持ってほしいな~。近所のコーナンで9尺のブロンズを2,400円×8枚でだいたい22,000円くらい。

 

エスクァイアに9尺の波板詰めたことにびっくりしました(笑

 

前もって古い波板はバラバラに外してあったので、骨組みだけのカーポートからのスタートです。早速作業風景を、、、

 

骨組みだけの状態からスタートです。

波板と一緒に買ったフックボルト

長さが足りないため、止水スポンジ外します。止水できなくても、カーポートのレールの中を水が流れる仕組みなので多分問題無いハズ、、

早速、三脚の上に立って梁の位置で切りで穴開けます。位置は、、適当。

穴とフックボルト。

差し込んで、、

ドライバーで90度回して裏の梁の断面にひっかけます。

できた!

最初の一枚目が完成。3方はカーポートのさんに挟まっているのでOK。縦に1列だけフックボルト止めました。以降は重ねて、屋根の中から同じ作業を繰り返します。波板どうしは一山重ねてフックボルトで止めてゆきます。ちなみに三脚に乗って作業しました。屋根にのる勇気はありませんでした💦

はい、一気に完成図。かれこれ4時間くらい作業していました。じつは最後、フックボルトが中央で4か所忘れているのを発見し、三脚から手が届かないので、やむを得ず屋根に上ってボルト固定しました。全身ではいつくばって、梁の上に体重を乗せるようにしながら超気遣い作業、、63kgまでなら何とか乗れました。(二度とやりたくない、、)

何枚か敷設してからこの注意書きに気づき唖然!ポリカには表裏があり、耐候処理が片面にしか行われていないようです。幸い表裏逆になっていなかったので良かったですが、こりゃ知らないと気づかないな。。

この日はとても暑く、少し熱中症気味で頭痛がする中、1時間ごとに休憩して作業しました。休憩は短いスパンで取ってくださいね!

 

2年前から穴が開いて、ボロボロと割れて穴が開き、台風のたびに気をもんでいたのですが、これですっきりしました~。20年後が楽しみです(笑

【読書レビュー】嫌われる勇気~自己啓発の源流「アドラーの教え」~☆5.0

気が付いたら読者数が10名になっていました!

登録していただいた方々、本当にありがとうございます🥳

 

今日レビューさせていただくのは、自己啓発本といえばこの本が一番最初に思い浮かびます。「嫌われる勇気」です!

 

初めてアドラー心理学を知った書籍になります。よほど相性が良かったのか、読んだ回数は数知れず、らんぷのバイブルとなった一冊です。合う人、合わない人がはっきり分かれる様な気がします。理屈っぽいよりは楽観的な人生訓の延長、という感じがしました。

 

どんな本?

 

2013年、岸見一郎さん(原案担当)、古賀史健さん(執筆担当)による著書です。アドラー心理学の提唱者、アルフレッド・アドラーの思想について、「青年」と「哲人」の対話という形を取って、非常にわかりやすく説明されています。

 

2014年にはビジネス本ランキングで2位、2015年に1位を取っているみたいです。そのまま、ドラマ、舞台、漫画、色々と手広くやっているみたいですね。

 

アドラーとは、今ではきいたことがない人は少ないと思いますが、フロイトユングに並び「心理学の三大巨頭」と言われています。

 

しかし、一方でアドラーの思想は、当時100年先を行くと言われたようです。ようやく時代が追い付いてきたのでしょか?らんぷにはがっつり響きました!

 

本の中身は、難しい自己啓発本ではなく、対話形式なのであっという間に読み進められます。悩める「青年」と哲学者「哲人」が議論をしながら、アドラーの思想を通して「青年」の悩みに答えてゆきます。

 

「人を動かす」のデールカーネギー、「7つの習慣」のスティーヴン・コーヴィー、彼らもアドラーについて言及するくらい影響を受けているようです。もし興味があったらこちらの本も読んでみてはいかがでしょうか?

 

本の印象

 

台本を読んでるみたいで面白いです。「青年」のこじらせ具合は他人事とは思えません。長年の悩みが、読み進めるにつれてほどけていく感じでした。

 

自己啓発、哲学、心理学、宗教など、専門書になると多くの周辺知識が必要だったりして真意をくみ取れないことがあります。しかしこの本は専門用語は極力使わず、あくまでも「人生を幸せに過ごすための実践の思想」を伝えてくれます。

 

仏陀、イエスソクラテス、インディアン、縄文文化は、書物を残さなかった事で有名です。おそらく、思想を伝えるにあたり、その時その場その相手に「伝えるべき言葉」が違うからだと思います。

 

アドラーも学問のための学問を否定し、学生や患者との実践的な対話を重んじていたようです。

 

しかし、この本は「青年」と「哲人」の対話を通して、「その時その場所その相手に伝えるべき言葉」を見事に再現していると思いました。

 

心理学、哲学、宗教、教育、福祉、様々な分野に根を下ろし、「アドラー」という名前が残らないほど、普遍的な思想、価値観のエッセンスが、この本には詰まっていると思います。

 

内容

 

とりあえず、ここまででこの本に興味を持たれたら読んでください!と、本気で言いたいのですが、それでは身もふたもないので、らんぷなりに理解した内容をつらつらと書いてみます!

 

1 考え方について

 

コペルニクス的転回を受け入れることから始まります。いわく、、

 

~「原因論」ではなく「目的論」~

 

**だからできない、ではなく、**になるには何ができるだろう、で考える、負のスパイラルから抜け出す最初の一歩です。

 

トラウマさえも言い訳で、”今の自分を変えない”という自身の強力な目的に従って苦しんでいることに気付くこと。

 

「本当はやればできる」といってやらない人は、”可能性に逃げるという目的”のために、時間がない、もっと若ければ、もっとお金があれば、親ガチャ外れ、容姿がよければ、、と原因を求めるのです。

 

~全ての悩みは人間関係~

 

相手への過剰な見返りの要求、憎しみ、喪失感、他人への敵意、恐怖、など、不幸の発端は人間関係に集約されます。

 

自分以外の人間がいなければ悩みは基本的に発生しません。それは無理なので、一緒に考えましょう、からスタートです。

 

~課題の分離~

 

”水辺に馬を連れてゆけるが、水を飲ませることはできない”。

 

お膳立てしても、最後に決めるのは相手の課題。強要や強制はしてはいけない。承認要求はまさにこれ。他者からの承認は強制できません。要するに、「ニーバーの祈り」だと思います。

 

”神よ、変えられないものを受け入れる強さと、変えられるものを変える勇気と、変えられないものと変えられるものを見分ける賢さを与えて下さい”

 

~一般的な意味での人生の意味はない。人生の意味はあなたが自分で与えるもの。~

 

これは言葉のままだと思います。自分に従って生きるだけですね。

 

自分は何か大きな特別なことを達成して名を残すのだ!という、肥大した自己顕示欲もまた不幸の元になりえます。

 

他人が認めるかどうか、未来の人間や子孫が自分の物語を語り継いでくれるか、これは他者の課題です。本当にそれを目的とするならば、人並み以上の不断の努力を目的に向けてコツコツ続けることです。

 

~人生のタスクに向かい合う~

 

人生のタスクとは「仕事のタスク」「交友のタスク」「愛のタスク」タスクとは、幸せを得るために必要なもの

 

タスクから逃げることは簡単です、でも、苦しいと思います。職場では、「仕事のタスク」に逃げて、他のタスクに向かい合わずに、不幸をばらまいている人をよく見ました。

 

2 共同体感覚を身に着ける

 

~自己受容~

 

100点でない自分を受け入れること。冷静に考えて完璧などありはしない。自分も他人も存在するだけで貢献できていることを自覚する。

 

つまり、明日突然いなくなって悲しむ、困る人がいるなら存在しているだけで貢献できている、という事実を理解することです。

 

~他者信頼~

 

皆から好かれることは不可能。好きになってくれ、を押し付けることはできない。感謝してくれ、承認してくれ、愛してくれ、も要求できない

 

自分から愛することしかできないのだから、明確に線を引いて、自分から勇気を出して、見返り無く相手を信頼すること。

3 共同体への貢献感を感じる

 

~他者への貢献~

 

人は共同体への貢献感によってのみ、幸せを感じることができる、社会的な生き物。しかし、感謝や承認を他人に強いることはできない。世の中の仕組みを理解して、自分なりに本当に他者へ貢献できている、と感じることを信じて行うこと。

 

その相手はあなたから、共同体、世界中の人達、過去から未来、皆すべて。自分だけ、今だけ良ければいいだけでは長続きしません。

 

~ほめない、叱らない~

 

ほめるのは、意識せずとも見下していることが前提。

 

叱るのは相手へのは介入で、積極的な活動を妨げる。

 

相手が行動できずにいたら、「勇気づけ」を行う。あくまでも縦の関係ではなく、横の関係を築く

 

4 「今」を生きる  

 

これは禅でも言われる事だと思います。過去のトラウマを生きるのも、未来のために耐え忍ぶ準備期間を生きることも幸せではありません。

 

今、この瞬間を生きることが大事。未来の不安で押しつぶされないように気を付ける。

 

あとはひたすら実践あるのみ。アドラーいわく、生き方や思想を変えるには、今まで生きてきた期間の半分は必要とのこと。

 

らんぷは30歳ごろに出会ったので、そろそろ効果が出始めてもいい頃かと思うのですが、、

 

 

はい、今回は特に好きな本だったので、長文になってしまいました。

最後まで読んでいただいた方は本当にありがとうございました~👋

【読書レビュー】アルジャーノンに花束を ☆4.5

今日ご紹介する本は、十数年ぶりに再読したダニエル・キイスさん(翻訳:小尾芙佐さん)の”アルジャーノンに花束を”です!


1999年に早川書房の文庫本で初版となっていますが、初めて読んだのは中学生くらいの時ですかね~。その後、何度か読みましたが、読むたびに印象の変わる本です。

 

本の内容


主人公のチャーリー・ゴードンは32歳で幼稚園児並みの知能しかありません。ある日、大学の臨床試験の対象に選ばれて、知能が向上する手術を受けます。

ちなみにタイトルの”アルジャーノン”と言うのは、チャーリーの前に動物実験で手術をしたネズミの名前で、一緒にテストを受けていた賢いネズミの名前です。

手術後、チャーリーの知能は急速に向上してゆきますが、人との付き合い方や過去の自分との向かい方といった心の発達が追い付かずに苦労を抱えます。普通の人が一生をかけて育ててゆく知能と心を、数か月で、誰も達したことのない高みまで上り詰めるチャーリー。心と頭と体がちぐはぐのまま、人とぶつかり、孤独を抱えてゆきます。

そんな中、アルジャーノンに変化が。段々と奇行が増え、知能は手術前より低下し、ついには死んでしまいました。。

、、と、言った感じで物語はラストに進んでゆきます。

 

感想


本の書き出しは、

”けえかほうこく1 3がつ4日 ストラウスはかせわぼくが考えたことや思い出したことやこれからぼくのまわりでおこたことはぜんぶかいておきなさいといった。、、、”

という感じです。全体がチャーリーの日記という形を通して、チャーリーの内面がダイレクトに伝わってくる不思議な物語です。

初めて読んだときは、チャーリーの数奇な人生に感動しました。知遅れの子供にむごい仕打ちをする母親や、チャーリーの職場の同僚に腹を立てたり、IQだけではなくEQも大切なのだな、と思っていました。

しかし、大人になってから再読すると、周りの人たちの苦悩、例えば、世間体ばかり気にする母親と、それを懸命になだめる父親のいる家庭の在り方や、知遅れのチャーリーを、親友の頼みで雇っていたパン屋さんの店主の思い、チャーリーの一部始終を見てきたアリス先生の思いなど、色々な立場の人の置かれた状況に強く心を惹かれました。読み終わってからは、登場人物達のその後の幸せを願ってやみません(泣

そんなチャーリーが1年弱で駆け抜けた人生の栄枯盛衰を追った本作、とても内容の濃い小説です。読み手の年齢に会わせて心に響く名作だと思いました!

 

後半、ラストに向けては涙で字が読めない可能があるので、ハンカチとティッシュの用意を忘れずにw

エスクァイア・ワイパーゴム交換 (80系ノア、80系ヴォクシー)

今日は暑かったですね~。

先週末ですが、晴れ間を狙ってエスクァイアのワイパーゴムを交換しました。せっかくなのでご参考になればと思いブログにしてみました~

 

ヤリスクロスでワイパーゴム交換の味を占めたらんぷ、今日はエスクァイアのワイパーゴム交換です! ディーラーでやってもらうより2000円安くあがるので、2台で4000円の節約です。(お小遣いは別に増えませんが、、泣)

 

前回と同じ感じで作業の写真を張っていこうと思います!

 

Rrワイパー替えゴム交換

 

エスクァイアのワイパー替えゴムです。多分、80系ノアボクも一緒だと思います。違ってたらごめんなさい! Fr:DW70GN、DW35GN、Rr:TN40G。3,000円くらいでホムセンで購入

ワイパーゴム切れていますね。ディーラーで車検通らないといわれました。

ヤリスクロス同様、先端が袋になっていますね。引き出しにくい、、

ゴムの先端をひん曲げて、グイっと引き出します。

ゆっくりと引っ張り出します。

上:新品、下:古いゴム。これだけちぎれてても普通に払拭していたので気づきませんでした。お気を付けください。

替えのゴムと金属プレートが一緒になっています。保持しないとバラバラになるので気を付けて作業。替えゴムには金属プレートがバラバラにならないように、最初から樹脂のクリップが2か所ついています。クリップはつけたまま作業するとやりやすいですよ!(らんぷは先にクリップ外してバラバラになっちゃいました💦)

ガイドを通してゆきます、、ワゴンは背が高いのでRrのゴム交換は腕が疲れる。。

 

完成!!、、と思いきや先端のガイドが違うゴムの溝に通っていました💦直さないと。。

古いゴムについていた金属プレートを使って、ゴムをこじりながら正しいガイド位置に直します。

はい、今度こそ完成!

Frワイパーゴム交換

 

続いて前のワイパー。根元側のゴムに穴があって、金属のストッパーがはまって固定されています。

端っこをつまんで、、

ゆっくり引っこ抜く。結構力いります。優しくね!

ぐいーっと。引っこ抜く。

取れたゴムについている金属プレートは使いますので、踏んで曲げたりしないように注意してください。

 

金属プレートをきっちりはめた新しいワイパーゴムを下からガイドに挿入。

ガイドに全部通して、最後のガイドを穴に入れる前。

ゴムの穴に最後のガイドを「グイっ」とはめ込んで完了!!

次は反対側。ドライバー席のワイパーは大きいです。さっきと同じようにゴムの先をつまんだら、力づくで優しく引き抜きます。

ぐいーっとゆっくり引っこ抜く。

新しいワイパーゴムを取り付けます。さっきと同じように、古いワイパーゴムから、金属プレートを外して、新しいゴムに組付けます。そのあと、プレート付きの替えゴムをガイドに挿入。

ガイドを3つ通したところで手が届かなくなったので、反対側から引っ張ります。

最後は根本側のガイドが、ゴムの穴にはまっていることを確認して終了です。ガイドが、ゴムの所定の溝を通っていることを最後に確認してください。お疲れさまでした!


と、こんな感じです。手間をお金で買うか、悩ましいところですね💦

撮影しながら全体で20分かかりました。正味10分の作業かと思います。

 

最後までご覧いただいてありがとうございました~

 

 

 

 

 

【読書レビュー】肉食の思想~ヨーロッパ精神の再発見~☆4.0

最近、Youtubeで面白い動画を見て、この本が紹介されていたのでさっそく読んでみました!

 

 

前置き

 

大学生の時、東南アジアに1ヶ月の間、旅に行きました。プーケットの遠浅の海で沖の方にいると、白人の子供の兄弟がこっちに泳いで来ました。

英語で「陸に戻るにはどう帰れば近い?」と聞いてきました。こっちは英語は聞き取れるけど、話せないので身振り手振りでまごついていると、「ダメだ、コイツら英語話せないや。」と、兄弟で話すなり、こちらへの興味を失って2人で帰ってゆきました。。

 

この、20年前の体験でずっと気になってたことがありました。

 

彼らが、こっちが英語を話せないとわかったとたんのこちらに対する無関心さに驚いたのです。

言葉の壁は、東南アジアの人達と何度も感じていましたが、それとは何か違う違和感を感じていました。感情のやり取りがないというか、人として認められていないような。。

これが人種差別を肌で初めて感じた感想でした。小学生くらいの幼い子供でさえ、肌の色、言葉の違いを理解し、黄色い肌の英語を話せないものは人間ではない、と認識していたように感じました。。

 

前置きが長くなりましたが、そんな疑問に、20年越しに答えをくれたのがこの本です。

 

本の説明

 

1966年(2007年文庫本)発行の鯖田豊之さんの書かれた本です。この方は2001年に亡くなられています。医科大学の名誉教授、専攻は西洋中世史ということです。

ヨーロッパ圏とアジア圏の人の精神、思想について、「食生活」の観点から違いを比較する本です。ヨーロッパ圏の文化や歴史の違いを理解しようとしたときに、まず前提として価値観の違いをはっきりさせることができました。

 

概要

 

肉食の欧米人と米食の日本人は、風土、生活様式、思想、考え方が根本的に違います。

ユダヤ人、アフリカ奴隷貿易アメリカ大陸インディアン、オーストラリア先住民アボリジニアステカ王国など、欧米人による虐殺は、日本人では想像が出来ない規模で徹底的に行われます。

 

なぜこのようなことが可能なのか?

 

著者は、欧米人の「肉食文化」に目を付けました。

 

私たちの主食は? そう、お米です。

では彼らの主食は? 答えは「ない」。

 

米だけでカロリー摂取の大半を賄える日本は世界的にみて特異なのです。米は1kgから毎年100kg以上の収穫が可能です。しかし、大量の水と3か月以上の高温を必要とします。対して小麦は1kgから、3~4年に一度(連作障害があるため)20kg収穫できるだけ。主食、という文化は成り立つべくもありません、、

 

しかし、ヨーロッパには日本と違って広大な土地がありました。そこでは年中牧草が生えています。日本と違う穏やかな気候(夏は最高20℃)では雑草が繁らず、牧草たっぷりの天然の牧場があるので、自然と牛や豚を育てて(勝手に育つので)家畜を食べます。

逆に言えばそれを食べるしか生き延びる術は無いのです。

 

もっと具体的に言えば、毎日、豚や牛の頭、あるいは内臓や手足が食卓に丸ごとドンッ!と出て、豚の頭と白く濁った目を合わせながら脳髄を食べ、流れ出る血液を気にもとめずに耳や鼻をナイフで切り落として食べるのです。

 

ちなみに著者は「日本の肉食はおままごとのようだ」と形容しており、本場肉食文化ヨーロッパの生活で、食文化が肌に合わず、帰国後から一時期肉が食べれなくなったそうです。。

 

ヨーロッパ人は残酷なのか?

いや、なぜ何年も家族のように連れ添った家畜を心を痛めずに食べられるのか?

 

豚の頭の皮を切り開いて頬張る女の子に聞くと、「豚や動物は神様が私たちのために準備してくれた食料よ!」と、優しい笑顔で答えたそうです。

 

そう、キリスト教において、人間と動物は別のものであり、知能や感情があるわけではなく、痛みも感じない、神様が準備してくれた「食べ物」なのです。

 

生きとし生けるものに憐れみを感じ、輪廻転生を信じる日本人とは、命に関する考え方、感じ方が根本的に違うのです。

 

動物は人間とは違う。そうやってあらゆる事に線を引いてきました。
著者はこれを「断絶論理」と言っています。

 

地球は丸いのか?
→いいえ、ヨーロッパが世界の中心なので平らです。

 

地球は太陽の周りを回るのか?
→いいえ、人間が世界の中心なので、太陽が地球の周りを回ります。

 

人は猿から進化したのか?
→いいえ、人間は神に似せて造られました。猿は動物で人間とは関係ありません。

 

キリスト教はあらゆることに対して線を引いてきました。~

 

アフリカ人(黒人)は人間ですか?

 

ユダヤ人は人間ですか?

 

インディアンは人間ですか?

 

答えは歴史が証明しています。

 

どんな人におすすめ?

 

世界の歴史や文化、宗教に興味がある方にはぜひ読んでいただきたい一冊です!

文化の違いとは、言葉として知ってはいるものの、こうも違うものかと改めて驚かされました。

 

そして、解説には「食という新しい視点で西洋の歴史を見直す、西洋史学研究の問題作。」とあり、まさにその通り。驚くような内容ばかりで、しかも気候や研究結果に基づき、理論的な話の展開で考察には説得力があり、なるほどな~と感心しっぱなしでした!

 

どんなに分かり合えないと思っても、やはり同じ人間。しかるべき地勢に基づき、長い時間をかけて文化や思想が出来上がるものなのだと感心しました。まさに多様性ですね~。

【読書レビュー】スマホ脳 (新潮新書) ☆4.0

久しぶりに再読したのでレビューします!

 

 

 概要、本の印象

 

著者はアンデシュ・ハンセン。論文を2000本以上出している現役の精神科医であり、経済学の修士です。この経歴からこの本が生まれた事にとても納得!

 

発売当時、スウェーデンでは42週売上ベスト20入りを続けた話題の本。小学校の入学前には、著者のTEDトークのリンクが保護者に伝えられるそうです。

 

本は分かりやすい例え話を挟みながら、短い文でテンポ良く進んでゆくので読みやく理解しやすかったです。

 

タイトルはスマホ脳、とありますが、少子化うつ病生活習慣病、依存症、といった様々なテーマとスマホをうまく結びつけた、人間の本質に繋がる話が多く書かれている本だと感じました。

 

また、子供に対するスマホやインターネットの悪影響についても分かりやすく言及されていて、子供が小さいうちにこの本を読めて良かったと思いました。

歴史や進化が絡むテーマのため、再現性を見いだすのが難しく、専門書という形はとれないものの、本質を突いたとても面白い本だと思いました!

 

内容

 

まず、人類は20万年という途方もない時間をかけて、繁殖の為に進化してきました。

最初にページを開くと、見開き2ページにわたって、・がびっしりと1万個書いてあります。それを人類の進化の歴史とすると、電気や水道がある生活は最後の・8個分、コンピューターがあるのは・3個、そしてスマホが最後の・1個分。そこから話が進んでゆきます。

 

人類は進化の99.9%で、餓死しないようにカロリーを脂肪として蓄えられるように進化してきました。ライオンに食べられないようにストレス反応というシステムを獲得しました。繁みが揺れたらライオンが隠れているかもしれないので、キョロキョロと周りから情報を探す事を強化してきました。

 

その結果、・が3個の世界では、肥満が蔓延して、生活習慣病でなくなる人が増えました。ライオンの変わりに、35年ローンの金策と会社の上司に対するストレス反応を起こし、自殺やうつ病でなくなる人が増えました。・が1個の世界では、繁みを探す変わりに、スマホの広告やSNSから毎日4~7時間も情報を探すことで、睡眠時間を削り、身体を動かさなくなり、人とかかわる時間が減ってゆきました。

 

つまり、20万年かけて進化してきた人間のシステムが、現代社会の変化について来れていない、ということです。

 

シロクマが、雪の中でアザラシを狩るため体毛を白くするのに、キリンが高所の葉っぱを食べるため首をのばすのに、10万年という歳月をかけて進化しました。

 

人類は、20年ではスマホに見合うデジタル化の進化を遂げられ無かったのです。

 

大まかにはこのような話が展開されてゆきますが、なぜ人が、スマホにそのような反応を示すのか、メカニズムを分かりやすく、最新(といってもまだ20年しかたっていませんが、、)の研究結果を交えながら解き明かしてくれます。

 

感想

 

この本を読んだあとは、スマホとのか関わりかた、子供への与えかたについて考えさせられました。らんぷ自身、スマホの軽い依存症になっていると思います。

 

スクリーン時間の管理、特に家にいる間はスマホを身から離して置き場を作ること、子供の前ではスマホを閉じること、やっていこうと思います。

 

あと、デジタル化に対する特効薬の処方せんも、本にはしっかりとかいてありました。「とにかく運動すること!」。

 

内容はなんであれ、ストレッチ、ヨガ、散歩、ジョギング、筋トレ、元々脳の一番の役割は身体を動かすことだそうです。

 

毎日6分、余分に身体を動かすことでも、精神衛生面については改善効果がみられたそうです!

 

一番効果が出るのは、6か月で52時間、週2時間だそうです。ちょっと難しいかも、、

まずは寝る前にストレッチから初めてみます♪

【読書レビュー】夢をかなえるゾウ0(ゼロ) ガネーシャと夢を食べるバク ☆4.5

シリーズとしては最新作(2024年4月現在)になる本作、やっと追い付きました~(今更ながら、、)! 先に言ってしまうとすごく面白いです!早く文庫化しないかな~。。

 

 

今回のターゲットは上司のパワハラで自殺寸前の新卒社会人です。この主人公はそもそも「夢」が無いと言います。どうするガネーシャ

 

経験ある人はわかると思うのですが、本当に追い詰められている人はSOSを発信する余裕は無いんですよね。ドクターストップで休職を経験したことのあるらんぷも、他人事とは思えないです(苦笑

この主人公も、自身を殺しながら堪え忍ぶ日々をつづけ、気が付けば「夢」を見失っています。まずはガネーシャからの指導で、仕事と距離を置き、自分が元々どういう人間か、というところに立ち返る所から始まります。

基本的には、いつもの調子でガネーシャ節全開で物語は進んでゆきますが、今回は一味違います。主人公と時を過ごすとともに、徐々にガネーシャもシリアスモードに。物語の後半からはガネーシャ自身も過去と向き合い始めます。

 

神話や宗教には疎いのですが、ガネーシャってかなりむごい人生送ってるんですね、、ゾウの頭とか、確かに普通ではないい。。まさにエピソード0(笑

主人公と共に救われてゆくガネーシャと、今回初登場のガネーシャの父、シヴァ。読み始めたら面白くて最後まで止まりませんでした。

個人的にはシリーズ最高傑作です!

 

このシリーズは我が家で殿堂入りとなりました!

過去作のレビューをご覧になる方はこちらからどうぞ~

 

hituzinoshosai.hatenablog.com

 

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