羊の書斎

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【読書レビュー】スマホ脳 (新潮新書) ☆4.0

久しぶりに再読したのでレビューします!

 

 

 概要、本の印象

 

著者はアンデシュ・ハンセン。論文を2000本以上出している現役の精神科医であり、経済学の修士です。この経歴からこの本が生まれた事にとても納得!

 

発売当時、スウェーデンでは42週売上ベスト20入りを続けた話題の本。小学校の入学前には、著者のTEDトークのリンクが保護者に伝えられるそうです。

 

本は分かりやすい例え話を挟みながら、短い文でテンポ良く進んでゆくので読みやく理解しやすかったです。

 

タイトルはスマホ脳、とありますが、少子化うつ病生活習慣病、依存症、といった様々なテーマとスマホをうまく結びつけた、人間の本質に繋がる話が多く書かれている本だと感じました。

 

また、子供に対するスマホやインターネットの悪影響についても分かりやすく言及されていて、子供が小さいうちにこの本を読めて良かったと思いました。

歴史や進化が絡むテーマのため、再現性を見いだすのが難しく、専門書という形はとれないものの、本質を突いたとても面白い本だと思いました!

 

内容

 

まず、人類は20万年という途方もない時間をかけて、繁殖の為に進化してきました。

最初にページを開くと、見開き2ページにわたって、・がびっしりと1万個書いてあります。それを人類の進化の歴史とすると、電気や水道がある生活は最後の・8個分、コンピューターがあるのは・3個、そしてスマホが最後の・1個分。そこから話が進んでゆきます。

 

人類は進化の99.9%で、餓死しないようにカロリーを脂肪として蓄えられるように進化してきました。ライオンに食べられないようにストレス反応というシステムを獲得しました。繁みが揺れたらライオンが隠れているかもしれないので、キョロキョロと周りから情報を探す事を強化してきました。

 

その結果、・が3個の世界では、肥満が蔓延して、生活習慣病でなくなる人が増えました。ライオンの変わりに、35年ローンの金策と会社の上司に対するストレス反応を起こし、自殺やうつ病でなくなる人が増えました。・が1個の世界では、繁みを探す変わりに、スマホの広告やSNSから毎日4~7時間も情報を探すことで、睡眠時間を削り、身体を動かさなくなり、人とかかわる時間が減ってゆきました。

 

つまり、20万年かけて進化してきた人間のシステムが、現代社会の変化について来れていない、ということです。

 

シロクマが、雪の中でアザラシを狩るため体毛を白くするのに、キリンが高所の葉っぱを食べるため首をのばすのに、10万年という歳月をかけて進化しました。

 

人類は、20年ではスマホに見合うデジタル化の進化を遂げられ無かったのです。

 

大まかにはこのような話が展開されてゆきますが、なぜ人が、スマホにそのような反応を示すのか、メカニズムを分かりやすく、最新(といってもまだ20年しかたっていませんが、、)の研究結果を交えながら解き明かしてくれます。

 

感想

 

この本を読んだあとは、スマホとのか関わりかた、子供への与えかたについて考えさせられました。らんぷ自身、スマホの軽い依存症になっていると思います。

 

スクリーン時間の管理、特に家にいる間はスマホを身から離して置き場を作ること、子供の前ではスマホを閉じること、やっていこうと思います。

 

あと、デジタル化に対する特効薬の処方せんも、本にはしっかりとかいてありました。「とにかく運動すること!」。

 

内容はなんであれ、ストレッチ、ヨガ、散歩、ジョギング、筋トレ、元々脳の一番の役割は身体を動かすことだそうです。

 

毎日6分、余分に身体を動かすことでも、精神衛生面については改善効果がみられたそうです!

 

一番効果が出るのは、6か月で52時間、週2時間だそうです。ちょっと難しいかも、、

まずは寝る前にストレッチから初めてみます♪